ドイツでは当たり前?!子供も積極的に受ける「専門的な歯のクリーニング」
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ドイツでは当たり前?!子供も積極的に受ける「専門的な歯のクリーニング」
歯周病の治療としてではなく、予防目的のクリーニングでも、ドイツでは自己負担無しで保険が適用されます
毎日きちんと歯磨きをしていても、ホームケアだけで子供の虫歯を予防するのは難しいとドイツでは言われています。
特に子供が小さい場合、親が毎日仕上げ磨きをしていても、じたばたされると磨き方がおろそかになったり、その子の歯並びによってどうしても磨き残しは生じてしまいますよね。
そのためドイツでは、子供が無料で受けられる「専門的な歯科クリーニング」が普及しています。
日本では、保険診療のクリーニングは健康保険の規制によって、歯周病などの治療として扱う場合は保険が適用されるが、予防目的でのクリーニングは適用されないと伺いました。
さらに保険診療の範囲内でクリーニングをする場合の料金も、3 割負担なら 3000 円ほどかかるとのこと。
ドイツでは自己負担もないので、多くの子供たちが定期的に受けています。
娘の体験談
そろそろ 6 歳の長女も「専門的な歯科クリーニング」を受けた方が良いと思い、行きつけのデンタルクリニックへ連れて行きました。
私もわが子の初めての歯科クリーニング体験の様子が見られるとワクワクしながら同行。
先ずは歯の模型を使って、予防歯科のプロである歯科衛生士による説明と質疑応答の時間。
娘の食生活や歯磨き習慣について色々と聞かれました。その際に、歯磨き剤の種類とその使い分けについて教わりました。
2歳から6歳用の歯磨き剤、そして6歳以上の子供用歯磨き剤に入っているフッ素の量が違うので、適度なものを買い求めるよう呼びかけられました。
お勧め商品
ドイツの歯医者さんは基本的に、朝晩に使う歯磨き剤として ELMEX というブランドを推奨しています。
それ以外に、例えばお昼ご飯の後にも磨く場合や、甘い物を食べた後に磨きたい時には、フッ素が入っていない(例えば WELEDA 社の)歯磨き粉でもかまわないとのこと。
また、週に1度を目安に、フッ素がたくさん入っている「ELMEX ゼリー」を使うと良いからと先生が処方してくれました。
2 分間、ELMEXゼリーを使って高濃度のフッ化アミンによるケアを行うことで虫歯のリスクは明らかに減少し、エナメル質が強化されるそうです。
ドイツでは薬局のみで販売されている大サイズだと 2000 円ほどするこのゼリーですが、歯医者さんの処方箋があれば健康保険がカバーしてくれるので、無料で受け取ることができました。
さらに、日本では聞いたことがありませんでしたが、フッ素入りの塩をお料理に取り入れると、虫歯になりにくいのでお勧めとも教えて頂きました。
指導開始
質疑応答の時間が終わると次には、歯垢を染め出す液を使って、磨き残しの多い場所を娘にも手鏡で確認してもらいながら丁寧な歯磨き指導を行ってくれました。
視覚的にわかりやすく子供でもはっきりわかるため、この着色液は効果が大きいと感じました。
子供用のものも市販されているので、家庭でも使うよう勧められました。
乳歯については永久歯と違った形をしており、歯と歯の接触部分がより広いので、子供用のデンタルフロスを 3 日に一度は使うことを勧められました。
また、長女の場合、汚れがたまりやすい「溝」が歯の側面にも構造上あるので、普通のブラシではなかなか行き届かない部分の汚れをしっかり落としてくれる電動歯ブラシを勧められました。
さらに歯を磨く時には、歯だけではなく歯茎も歯ブラシでマッサージするよう、呼びかけられました。
最近の電動歯ブラシには、そのような機能が付いているとのこと。
子供の歯茎は繊細なので、最初は血が出やすいものの1~2 週間ほどすると血は出なくなる。と言われましたが、実際には全く出血しませんでした。
クリーニング開始
長女に歯磨き方法を丁寧に教えてくれた後、歯科衛生士は20分ほどかけて念入りに歯のクリーニングをしてくれ、再び歯と歯茎の効果的な予防歯科について語ってくれました。
仕上げには、虫歯予防に有用とされるフッ素を塗布してくれました。
歯の表面にフッ素を塗布することによって歯質の強化を図るみたいです。
フッ素は、酸性状態になった歯を元通りにする再石灰化を促進してくれるとのこと。
塗布後 30 分は、食事をしないように注意が必要だそうです。
まとめ
全部で、1 時間以上かけてじっくり取り組んでくれた予防メンテナンス。
実際のクリーニングは 20 分だけですが、質疑応答や丁寧な説明にたくさんの時間を設けてくれたので母も子も大満足!
皆様もぜひお子さんの歯の健康のために、専門的な歯科クリーニングを試してみてください。
日本でも近々、健康保険がカバーしてくれるようになれば良いですね。
2000 年よりドイツ在住。
日独ハーフとして両国で教育を受け、立命館大学卒業後、日本貿易振興会(ジェトロ)の仕事を通じて20年前に渡独。
2006年に通訳者・翻訳者として独立。
現在、3歳と6歳の子育てに奮闘中。