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歯科医師に聞く!「スタッカー」が赤ちゃんの噛む力・遊び・発達に与える効果

歯科医師の成瀬先生に、ピカーレのアイテム「Jellystone Designs スタッカー」を解説してもらいました。

著者紹介:成瀬真子先生(ナルセ歯科クリニック医院長)

本記事は、歯科医師であり、労働衛生コンサルタントの成瀬真子先生によるものです。成瀬先生は、日本スポーツ協会認定スポーツデンティスト、日本歯科医師会認定産業歯科医の認定を持ち、幅広い分野で活躍されています。

【経歴】
土岐市立泉小学校〜土岐市立泉中学校〜岐阜県立多治見北高校から愛知学院大学歯学部歯学科へ進学。
2010年大学卒業後、愛知済生会病院(現・愛知済生会リハビリテーション病院)歯科口腔外科に入局。
その後、複数の歯科医院にて一般歯科、矯正歯科、訪問歯科診療などの経験を積む。また歯科医院のみならず病院や福祉施設などでの診療に従事。
2019年ナルセ歯科クリニック院長に就任。

「噛む」から広がる、赤ちゃんの育ちの時間

最初にこのスタッカーを手にしたとき、正直ちょっと戸惑いました。
「こんなに大きくて硬くて、本当に大丈夫?」と思ったのです。赤ちゃんが口に入れた瞬間、思わず止めたくなる。それはきっと、どの親にもある自然な反応だと思います。

でもそのとき、ふと頭に浮かんだのが“骨のリモデリング”の仕組みでした。
骨は、いったん今のかたちをほどいて、新しい骨へと作り変えることで成長していきます。破骨細胞が古い骨をほどき、骨芽細胞がそこに新しい骨を築いていく——**“壊す”ではなく、“つくり変えながら育っていく”**のです。

これは、赤ちゃんの発達にもよく似ています。できたと思ったことが崩れたり、やり方が変わったり。それでもまた別の形で現れて、少しずつ「その子らしいかたち」へと成長していく。そんな“組み直し”の時間のくり返しが、まさに発達なのだと思います。

歯がためが持つ“育ちを支える力”

実は、歯がためにもこうした“育ちを支える力”があります。

乳歯が生え始める生後6か月ごろ、歯ぐきにはむずがゆさや痛みが出てきます。これは、歯が歯肉を押し上げるときに炎症が起こり、炎症性メディエーター(痛みの原因となる物質)が放出されるためです。

このとき、歯がためを噛むことで歯肉に圧が加わり、血流が促進されると、炎症性メディエーターが拡散・代謝され、痛みの緩和につながると考えられています。

また、噛むという行為自体が、顎の骨や口まわりの筋肉に刺激を与えます。これは、骨の成長(リモデリング)を促し、口の動かし方を覚えるきっかけにも。やがて咀嚼や嚥下、発語といった口腔機能の発達へとつながっていきます。

さらに、口の中の刺激は脳にも働きかけ、エンドルフィンなど幸福感をもたらす物質が分泌され、ストレスの軽減にもつながると言われています。

だからこそ、「噛んでいいんだよ」と伝えてあげること、そしてその姿をそっと見守ることは、体だけでなく心の成長にもつながっているのです。

大人の心配を軽々と乗り越えて、赤ちゃんはその小さな口と手で、自分の世界を広げようとしています。

歯がためだけではない、遊びから生まれる成長のヒント

このスタッカー、歯固めだけではなくて知育おもちゃとしての役割も。赤ちゃんは、つけて外して、落として拾って、くるくる回して……。それはまるで「どうなるかな?」を何度も試しているようでした。

噛むだけじゃなく、積む、外す、並べる、回す――自分の手と口で、世界と関わる動きがそこにはたくさん詰まっている。赤ちゃんは、そんな遊びの中で、咀嚼だけでなく考える力や指先の使い方までも学んでいるんだと気づかされます。

スタッカーは、親が「噛ませてあげる」ための道具ではなく、赤ちゃんが“自分で使ってみたくなる”ものなんですね。

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