トリリンガルの子供の育て方と日常【日本語・英語・イタリア語を話す娘の場合】
目次
トリリンガルの子供の育て方と日常
日本語・英語・イタリア語を話す娘の場合
インターネットの普及により世界ともつながりやすくなった今、子供に多言語を身に付けてほしいと願う親御さんも多いのではないでしょうか?
日本でも幼少期から英語教育をスタートする子供も多く、バイリンガルの子供も珍しい時代ではなくなってきましたよね。
私はニュージーランドで暮らしていますが、イタリア人の夫との間に生まれた7才の娘は3カ国語を話します。
今回は、娘の日常やどのように3つの言語を覚えていったのかについてご紹介。トリリンガルやマルチリンガルに子供を育てたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
人によって言語を自動的に使い分けている
娘は日本語と英語とイタリア語を話しますが、3つとも同じレベルで話せるのかというと微妙に差はあります。
今後の環境次第でまた変わってくるとは思いますが、今のところ「話すこと」だけに焦点をおいて5段階で評価すると、日本語が5、英語が5、イタリア語が3 といったところです。
娘は私とは100%日本語で話し、小学校ではすべて英語、夫と娘の会話はイタリア語か英語、イタリアのおじいちゃんやおばあちゃんとはイタリア語で話します。
ニュージーランドのお友達ファミリーと一緒に食事をするときなどには、娘は友達には英語、私には日本語、夫にはイタリア語と3カ国語を人によって自然に使い分けるといった感じです。
たとえば、「ママ、おいしいね!」「Papa, Buonissimo!ブオニッシモ」「 Yummy!ヤミー」など、サラっと3つの言語が出てきます。
生まれたときから幼稚園までは日本語とイタリア語
私は娘が生まれてから、ずっと日本語だけで話しかけることに徹しています。
なぜかと言うと、私が日本語や英語を混ぜて話しかけると「娘が混乱するのでは?」と思ったからで、結果的に正解だったと感じています。
私と夫は英語で話しているため、娘はその会話をいつも聞いてはいますが、娘に対しては絶対に日本語で話しかけます。
また、夫は娘に対して小学校に入る頃まではイタリア語だけで話しかけ、家でアニメを見せるときは日本語とイタリア語のDVDだけを見せていました。
言葉を話し始める時期は周囲の早い子に比べるとちょっと遅いかな…と感じたこともありましたが、1歳の誕生日ころには「ママ」や「ねんね」を言っていたのを覚えています。
3歳から現地の保育園に通い始めましたが、一番仲良しの子が日本人だったたこともあり、日本語は日本に住む子と同レベルで話していました。
でも、英語はまだほとんど話せななかったため、正直「この先、英語はちゃんと話せるようになるだろうか…」と少し不安でした。
イタリア語については、イタリア人特有のジェスチャー付きで完璧な発音で話していました。
この時期のスピーキングの評価は、日本語が5、英語が1、イタリア語が4くらいでしょうか。
娘は夫に「今ママとこんなことを話していたんだよ!」と日本語の会話内容をイタリア語に得意気に訳し、家族間の言語ギャップを埋める役割も買ってでていました。
小学校から英語力が急にアップ
小学校に入ると日本人がまったくいない環境になり、娘の英語力はグングン伸び始め、私も少しホッしました。
7才になった今は、単語はまだ私が教えることもありますが、発音については「ママ、今の発音ちょっと違うよ!」と注意されてしまうほど。
英語が強くなるにつれて弱まってきたのがイタリア語です。夫がイタリアで話しかけても、英語で返すことも…。
英語を話せないイタリアのおじいちゃんやおばあちゃんに対してはイタリア語で話すしかないので、毎週末のスカイプ通話によりイタリア語をキープしています。
将来的にはイタリアへの移住も少し考えているので、娘がイタリア語を忘れないうちに完全に習得できればと考えています。
海外に住んでも多言語を習得できないケースもある
娘はそこまで苦労せずに3カ国語に対応していますが、海外に住んだからと言って必ずしも言語が習得できるかと言うとそうとも限りません。
日本人のご夫婦の間に生まれた子供でも、7才の時点でもう英語しか話さない子供もいます。
日本語の内容は理解できても、言葉は英語オンリーになってしまう子も少なくありません。現地の日本語の補習校に子供を通わせて、日本語の習得環境をサポートしている親御さんも多いです。多言語を習得するためには、子供の個性を見極めながら環境を整えることも必要だと思います。
トリリンガルを育てるヒント
こちらに住む日本人の子供は、小学生くらいになると兄弟同士の会話が英語になったり、英語が強くなったりする子供が多いのですが、娘は一人っ子のせいか日本語がしっかりとキープできています。
しかも、おしゃべりなのでユーチューブなどで覚えた単語を使いこなし「どこでそんな単語を覚えたの?」と私を驚かせることもしばしば。
どのような勉強をしているのかと聞かれることも多いのですが、私は日本語の補習校には通わせておらず、自分で娘にひらがな・カタカナを教えた程度です。
一番よかったのは、生まれたときから英語ではなく日本語の動画を多く見せていたほか、音楽や読み聞かせも日本語中心だったことが大きかったと思います。
イタリア語に関しては夫にまかせていたので、私と過ごす時間が多かった娘は自然と日本語が第一言語になりました。
環境を整えれば多言語習得も夢じゃない
子供に多言語をマスターさせたい親御さんは、生まれたときから、または早い時点で動画や音楽などを習得したい言語オンリーにしてみることがおすすめです。
もちろん、子供の個性を見極めながら慎重に柔軟に進めることがポイント。
小さな子供はスポンジのように言語を吸収するので、環境を整えて子供の可能性を伸ばしてあげましょう!
ライター:古屋 恵子
ニュージーランド在住。
イタリア人の夫と7才の娘と毎日にぎやかに暮らしています。2012年からフルタイムのライターとして活動中。
海外での育児経験を通して、ママさんにとって役立つ情報を発信しています。