赤ちゃんの好き嫌い、どう向き合う?対処法と気をつけたいポイント
目次
赤ちゃんの好き嫌い、どう向き合う?
赤ちゃんの食べ物好き嫌い問題、困っているママさんも多いのではないでしょうか?
うちの子の場合は納豆でしたが、他にもピーマンやトマトなど野菜が嫌いというお子様の話もよく聞きます。
好き嫌いが多くて、大丈夫かな?そう心配されているママさん、パパさん。
結論から言いますと、好き嫌いは成長の途中で変化することがあるので、
心配し過ぎる必要はありません!
私達にも、昔は苦手だったけど大人になった今では食べられるもの、って結構ありませんか?
なので、
「そのうち食べられるようになるかも」
そのくらいの気持ちで大丈夫です。
実は赤ちゃんが食べないのには、嫌がる理由がちゃんとあるんです。
今回はその理由と、苦手な食べ物との付き合い方についてお話ししていきますね。
赤ちゃんは、羊水の味を知っていた!?
舌の表面には味蕾(みらい)と呼ばれる、味を感じるセンサーがあります。
赤ちゃんの味蕾は、ママが妊娠7週目の頃から作られ始め、14週目位には大人とほとんど同じ構造になっています。
最近の研究では、赤ちゃんがママのお腹の中で、羊水の味を感知していることも分かっているそうなんです!
驚きですよね。
この発達した味覚センサーのおかげで、赤ちゃんは生まれてすぐにママの母乳の味を自然と受け入れることが出来るんです。
味覚といえば、「甘味」「塩味」「旨味」「酸味」「苦味」の5種類がありますが、この五味にはそれぞれ役割があります。
「甘味」…エネルギー源である糖の存在を知らせる。
「塩味」…体液のバランスを取るのに必要なミネラルの存在を知らせる。
「旨味」…体をつくるのに必要なたんぱく質の存在を知らせる
「酸味」…腐敗、または未熟であることを知らせる
「苦味」…毒の存在を知らせる
例えば私達も普段から、食べ物が酸っぱくなってくると
「あぁこれはもう腐ってきてるな」
と思ったり、疲れてくると甘いもの(糖分)が欲しくなったりしますよね。
つまり、それを体に受け入れていいかどうか味で判断しているんです。
ママの母乳には、「甘味(糖)」「塩味(ミネラル)」「旨味(たんぱく質)」が含まれているそうです。
赤ちゃんは、本能的にそれが体に必要なものだと味で感じているんですね。
「酸味」「苦味」を感じる食べ物は本能的に受け入れられない
赤ちゃんが初めて「酸味」や「苦味」に出会うのは、離乳食が始まってからです。
酸味や苦味が多く含まれている食べ物、それはどんな食べ物でしょう。
ピーマンにセロリ、トマトにグリンピース…
そうです、それが野菜嫌いな子の多い理由ですね。
赤ちゃんの味覚は、もともと自分の身体を守る為に毒や腐敗を見分けるセンサーとして敏感に作動しているので、「酸味は腐敗」「苦味は毒」と直感的に感じているんです。
そう思うと、赤ちゃんが食べるのを嫌がるのも無理はありませんね。
好き嫌いの多い子は、この味覚センサーが、さらに人一倍敏感なんだと思います。
克服させるためには、刷り込まれたイメージを変えてあげることが必要です。
食環境を変えてみる
まず、一つ注意したいのは、子供がその食べ物を食べないからと言って
「〇〇ちゃんはこれが嫌いなんだね」
と言い切ってしまわないようにしましょう。
それを聞いた赤ちゃんは、その食べ物を「嫌いな物」と認識して完全に食べなくなってしまいます。
○○ちゃんはこれが苦手なのかも?その程度に考えて、
そばにいるママやパパが
「ママ(パパ)はこれ好きだな。とっても美味しいよ」
とニコニコしながら食べる様子を見せてあげて下さい。
また、時には素材の切り方や調理法、盛り付け方などを変えてみたり、大人数でわいわい食べていると、そのうち赤ちゃんの方から
「ちょっと食べてみようかな」
とつられて手を伸ばす瞬間が来るかもしれません。
その場の空気、味付け、同席者、声掛け、など様々な要素でイメージは変わってくるものです。
嫌がって食べないからと言って一回で諦めてしまわず、いつか食べてくれるかも、とそのくらいの気持ちで気長にチャレンジしていきましょう。
そして大事なことは、食べたらすかさず褒めてあげること!
そうやって赤ちゃんは少しずつ、安心感を覚えて自信を付けていきます。
苦手克服のチャンスを待っているのは、案外子供たちの方かもしれません。
まとめ:「苦手」は楽しい記憶と繋げると好きになる
「酸味=腐敗、未熟」「苦味=毒」という本能的な刷り込みは、記憶の積み重ねによってイメージが上書きされていきます。
苦手を克服するためには、赤ちゃんに楽しいと思わせる環境づくりが大切です。
もし、何度チャレンジしても食べてくれない食べ物があったとしても、成長に伴い
「ママが応援してくれているから」
「体にいいから」
「背が伸びるから」
そういった理由で頑張ることが出来るようになる年齢がやってきます。
なので、赤ちゃんのうちは決して無理強いして食べさせるような事はしないようにしましょう。
赤ちゃんが残す度に叱ったり、食べるまでテーブルに座らせ続けたり…
そういう「無理やり食べさせられた」という経験は、好き嫌いどころか食事をすること自体が嫌いになってしまいます。
本来、赤ちゃんにとっての食事は「楽しいもの」でなければいけないことを忘れないでくださいね。
好き嫌いは、赤ちゃんのせいでも、ママやパパのせいでもありません。
いつか食べてくれるその日まで、焦らずにソフトプッシュを続けていきましょう。
参考文献:
- 松成 容子、明橋 大二,「子育てハッピーアドバイス 笑顔いっぱい食育の巻」1万年堂出版,2014
- とけいじ千絵,3歳までが勝負!子供の味覚の育て方,WOMAN SMART DUALプレミアム,2015-7-30,閲覧日2020-5-2
ライター:尾茂友美
食育スペシャリスト / 食生活アドバイザー / ジュニア野菜ソムリエ
1歳半のやんちゃな息子に育児奮闘中。
食育や食生活アドバイザーとして活動しています。
お子さんの元気で健康な体を作る為に役立つ情報を、ママさんパパさんへ分かりやすくお伝えしていきます。
ママ目線のお役立ち情報は「オヤサポ」にも掲載中 ▶https://oyasapo.jp/learn/5116/